いくらやってもすぐにできないことがある
気合
ちょっとやってみようかなあと思われた方への参考ネタと同時に、そんなの興味ないわという人には、こんなことも出来ないんだと感心してもらうための話です。1mm前進するにも簡単そうでなかなか身につかないことってあるはずです。そんな話です。
空手にはいろいろな技があり、それをひとつずつ教えてもらい、稽古を積み重ねて強くなっていくのはだいたいおわかりかと思いますが。
いくら言われても、何度稽古をしても、すぐに身に付かないことがあります。
それは、気合(呼吸)とガードです。
気合は、相手を攻撃するときに、「いや~」「うお~」「えい」といった声を張り上げることです。
私がお世話になっている道場では、組手(これは相手と技を出し合う稽古です。)ですと、たとえば14人参加者がいれば、2人1組だとして、7組できます。組手をやるたびに、全員が横にひとつシフトして相手を変えていけば、7回できます。それをふたまわり、つまり14回ほどやります。組手は基本1分間ですので、全部でどれだけかかっても20分はかからない計算になります。
これだけ聞きますと、これぐらいはできるという気になるものですが、いえいえ、とんでもない。
初心者の場合、3人も相手したら、つらくて動けなくまって、少し休憩をとることになります。
はじめのうちは、これは体力がまったくないからだと思っていましたが、実はそれだけではありません、力を入れたときに呼吸がとまってしまっているわけです。
気合をいれるは、呼吸をするということになるため相手を威嚇する、自分に気合を入れるという以上に呼吸をするということで大切なのです。
それは師範などから教えてもらい、頭ではわかっていても、どうしても呼吸をとめてしまうことがあります。
気合をいつのまにか出さなくなるわけです。
これを自然にできるようになるは、結構難しいことなので、このあたりができるようになるはまずは大きな目標になるかと思います。
ガード
カードは誰でもわかるように、相手の攻撃をふせぐためのものです。
これも気合と同じように、自然にできるには時間がかかります。
たとえば、自分が攻撃のポーズをとっているとき(組手の型)は誰だってガードは上になっていますし、そこで相手が攻撃してきたときも、上のままです。
じゃあ、いつ問題になるんだということになりますが、それは自分が攻撃をしたときにすぐにあらわれます。
攻撃をしているときは、どうしてもガードが下がりやすいのです。
これも気合と同じで、力を入れたときには攻撃だけに集中しているため、ガードのことは考えないわけです。
つまりガードが下がるわけです。
上級者なら、まってましたとばかりにガードの下がったところを攻撃してくるわけですが、無意識にガードを下がってますので、すぐに上げなければという意識がないためにガードはガラガラ、つまり上級者でなくとも攻撃されるような態勢になっているのです。
このあたりは、頭で考えても難しいので、稽古をしているときに体で学ぶしかないでしょう。
その学び方ですが、ガードが下がったときに蹴られた痛みを覚えていることで、下がらなくなります。
これは私がそうだったという話ではなく、周りで指摘されている声のかなりが「ガードを下げるな」「呼吸をとめるな」ということからも、多くの人がすぐにできないことであることがわかります。
これは稽古時の話ですが、試合になったりして全力で戦うようになれば、普段できていても下がってきますので、相当な稽古をしないと身につかないものです。
とはいえ1mmずつ進んでいくとこれが出来るようになってくるんです。