はじめての資格取得 ちょっとだけ知っておくといいこと
これから資格を取得しようという人には、その気持ちに少し水を差してしまうような話で
恐縮ですが、覚えておいたほうがいいことを伝えたいと思います。
私もかなりあとで知ったことですが、国家資格のほぼすべてに当てはまる一般的なことです。
もしかしたらすべてかもしれませんが、少なくとも私が受験したまたは受験しようとした資格取得には
すべて当てはまります。
まず合格しただけでは資格取得になりません。
何を言ってるの?といぶかる方もおられるかもしれませんが、この基本を合格通知をもらって
はじめて知るというケースも多いんじゃないでしょうか。
私はそうでした。
資格取得=試験合格
とほとんどの人が思っていると思いますが、ここが違っているんです。
見方を変えて説明しますと、資格を取得するには国(実際は委託されている団体です)に
登録または免許証を発行してもらう必要があります。
では誰でも登録申請出来るのかというと、ここは皆さんお分かりのとおり
その資格があると認められるための条件を満たしている人だけが申請をすることができます。
多くの場合はこの条件のひとつに、国家試験に合格することというのが入っています。
つまり、国家試験に合格することが資格登録申請をするための必要にして十分な条件ということになります。
じゃあ、結局は試験合格と資格取得はほぼイコールじゃないかと思いたいところなんですけど、
ここにいろいろな各資格の事情があって、そうはなっていないのが結構あります。
まず、医療系が典型ですが、国家試験を受けるための受験資格に厳しい条件がついていることがあります。
具体的には国が認めている学校を卒業する必要があるなどです。
ご存じのとおり医者は医学部を卒業していないと絶対になれません。
次に国家試験を受けて合格したとしましょう。
では、それですぐに登録申請が出来るのかというと、そうはなっていないのが結構あります。
国家試験合格はあくまでも知識を試しているだけであって、それ以外の能力も必要としている場合があります。
具体的にはある一定期間の経験が必要でその証明書も必要だとしているケースがあります。
せっかく苦労して合格したのに、経験がいるとあとで言われても困るわけです。
ここは資格によって救済措置的なものがありまして、受講料は発生しますが、指定機関の講習を受けて認定してもらえばその経験ありと認めるとなっていたりします。
いやだめだ、1年の経験がないと認められないといったものもあります。
この経験証明が必要ということでお分かりかと思いますが、その業界で働かれている方が受験するものだ
という考えの資格も結構あります。
そこそこ受けてきてわかったことは、資格を取らせる側(つまり国や業界)の思惑が登録させる条件などに色濃く出てきていると思います。
難易度が高い試験のひとつに例えば司法試験がありますが、司法試験を合格しなければ弁護士になれないのかというと
ご存じのとおり、実績があれば(法学部教授とか法務省にいたとか)申請できて実際になれます。
税理士試験も難しい試験のひとつですが、税理士になるには、この試験を受けなくても税務署にしかるべき年数勤めていれば
なれます。
そういった必要とされる人数を確保するためには、資格取得のための仕組みもまた変わってくるということになります。
若いときに資格をとって、その世界で生きるぞという場合をのぞけば、難易度の高い資格にチャレンジし続けるはあまりメリットはないかもしれません。
仮にとれたとしても、別業界にいるのであれば、それによって得られる直接的な恩恵はほぼゼロだと思われます。
だからといって資格取得は意味がないと言っているわけではもちろんありません。
大いに価値がありますが、自分にとって、今現在、または将来価値が出ると見えているもので、難易度が高くないものを優先的に取得するのが一番スマートなとりかたではないかと個人的には思います。