シニアになる前にやっておいたほうがいいこと 自分の目線を誰にでも合わせるようにすること
私は学生時代には体育会系クラブに所属し、社会人になってからは、上司や部下といった管理される側と
管理する側ともに経験してきました。
そもそも組織がなぜあるかといえば、上下関係をあえて作り、その関係により全体の和を乱すことがないようにするのと
会社の進むべき方針に社員を合わせるためでしょう。
この環境で学生時代から過ごしてきたために、あるとき、自分が会社をはずれても、何やら同じように見るくせがついて
いました。
例えばかなり若い人に対しては目線を下げれないようになっていました。
具体的に言えば、中学生や高校生にたいして対等な立場で話ができないということです。
社会人がそんな学生に対して対等で話す必要があるのかと思われるかもしれませんが、それはあります。
空手道場がそれにあたります。
小さいころから、稽古に通っていた場合ですと、そのようなことになりませんが、私のように
途中から入ってきた場合は、当然ですが、先に入っている中学生のほうが技術も上ですし
帯の色も違って上級者になっています。
つまり、場合によっては中学生から指導を受けることもあるわけです。
今でも覚えていますが、入門してから1年以上は掃除当番でした。
下位3人(キャリアが浅い人順です)は稽古が終わったあとは、片づけやモップがけをするのですが、
新しく入門してこられてもほどなくやめていく人が多いために、下から4番目になるのに1年以上かかったというわけです。
中学生、高校生は稽古後の着替えなど談笑をしているわけですが、いい年した私は掃除をしているわけです。
教えてもらうのに、年齢は関係ありませんので、中学生あたりにお願いしますと教えてもらったりするわけですが、
どうしても心の中で「どうしてこんな学生に頭下げなきゃいけないんだ」という気持ちが抜けきれなかったです。
しかし、それも当然だというように、私のほうが鍛えられていきますと、そういうことを自然なこととしてうまく受け入れることが
できるようになってきました。
ある程度の社会人生活を送ってしまうと私でもそうなっているわけですから、シニアですと絶対といっていいほど
そんな気持ちがどんなときでも出てくるのではないかと思います。
私自身がそうならなくなってきたからこそ言えるのですが、例えばリタイアしてシニアの生活を送りはじめますと、
ほんと邪魔になるのは、別に偉いわけでもないのに、どうしても目線を下げれない気持ちです。
私の周りをみても、それが出来ない人は結構多いです。
そういう気持ちが抜けれないわけですから、つい人に説教をしてしまったり、ぞんざいな言葉を発してしまうなど
ひどいときはちょっとしたことで怒ることもあるかと思います。
一人で生きていくなら問題ありませんが、いろんなかたとの良好な関係をたもちつつ、できれば友達を増やしたいとまで
考えている人は、この気持ちが出てこないように、訓練する必要があるかと思います。
そうでないと、誰ひとり相手してくれず、結局一人となります。
私もたまたまシニアの多くのかたがたと接する機会がありましたが、昔話をやたら何度もする、
説教じみた話をするかたが多かったです。
話題が少ないはしかたないわけですから、それはいいとして、相手の話を聞いてあげるということが
出来ないため、そんな話をすることになるのではと考えています。
再就職支援の会社などの話を読ませてもらうと、かつての肩書のことがどうしても抜けないため、
その気持ちを崩すとこからはじめるといったことがよく載っています。
再就職のときですら、その気持ちが邪魔するわけですから、そんな気持ちをもっていては、まったく利害関係のない人たちと
仲良くできるわけがありません。
私も時間がかかりましたので言えるのですけど、そういったどこか奥底にあるへんなプライドといいましょうか。
そういうのは一切なくしてしまうことをシニアになる前にやっておくべきかと思います。