空手の型はなかなか覚えられない
空手には型というのがあり、これを覚えることも稽古のひとつとなっています。
伝統派では、オリンピックの空手種目のように型の試合もありますが、フルコンタクトの道場生は
型の試合に出ることはたぶんほとんどないかと思います。
試合としては使わないですが、その空手のレベルによって、覚えなくてはならない型が増えます。
私の道場では黒帯なら必ず出来なくてはならない型が11種類あります。
どれもこれも長く複雑なものというわけではなく、型その1が一番易しくて、それから数字が大きくなるにつれて
だんだんと複雑になり時間も長くなります。
そんな型ですが、頭の中で覚えているという感じではなくて、体で覚えさせるという感じになります。
はたから見ると、それぐらい覚えられそうな感じもしますが、型は両手両足を右や左や前や後という
単純な動きを決まった順番に組み立てていくだけですので、頭だけでは覚えられません。
例えば両手両足を1,2,3,4という数字でおきかえたとします。
1324442123311123
型の順番がこのようだったとして、これ覚えられますでしょうか。
仮に数字を覚えたとしても、体を動かせという命令を頭は送っていますから、
動いているときに次なんだったけ?と考える余裕がないんです。
ところが体に覚えさせると、例えば右手で払ったら、左手で拳を出すというのが、ある程度自然に出来ます。
これは何度もやっているため、順番ではなくて動きそのものを覚えるといったかたちです。
そうやって私も11種類覚えたわけですが、それは10年前の話。
もちろん、多少体は覚えていますが、完全には思い出せません。
そのため、手本を見せてもらうわけですが、そうすると、そうだそうだそうだったという感じになります。
じゃあ思い出したかなと、ひとりでやると、あれっ?なんか違うっていう感じになります。
これは、私のように長期間離れていたから、忘れていると思われるでしょうけど、
後半の複雑になった型では、ずっと稽古をし続けてきた人でもときどきわからなくなることがあります。
記憶というものは、ときどきリフレッシュをさせないと、時間をかけて体で覚えたものでも、少し間があくと
忘れてしまうことがあるわけです。
型でこれですから、少し難しいあまり使われない英単語など、やっと覚えても、一瞬で忘れてしまうということです。