やり直しの英語 その94 TOEICの点数を上げる前に英語学習をやる意味をもう一度考えてみる
TOEICで高得点をとれれば、若いかただと、それそものが結構武器として使えます。
中年以降ですと、武器として使える場はもうなくなっていますので、自分の英語スキルを上げるために
TOEICをやることになるかと思います。
そういうものの、日本国内におられるかたで、英語がどうしても必要だというかたは
どれぐらいおられるかというと、3%ぐらいじゃないかなと思います。
どこかにも出ていましたが、5%とかそんなレベルの数字だったと思います。
仕事のために、英語が出来ていると有利だという職業はそうはないということです。
ネットがここまで出来上がっていない時代は、英語は自分で訳すものだけに
英語の資料しかないといった場合に、それが読める読めないは能力の差としてあらわれました。
当然、英文メールが書ける書けないも大きな差となりました。
機械翻訳は昔からありましたが、まあ使える感じではありませんでしたが、今やネット経由で
非常に優秀な機械翻訳が自由に使えますから、どうしても英語を使わないといけない局面では
それを使えばいいということを誰もが思っています。
よって、そこでTOEICが900点だからといっても、ふ~ん。すごいねえ。で終わりです。
これで外国人などとの打ち合わせが頻繁にあるとかでしたら、重宝されることでしょうが
いまどきはそれすらありません。
国内にいる明らかに外国人というかたは、英語圏のかたではないですし、そもそも彼らは日本語を話そうとしてくれますから
英語でやりとりをする必要もありません。
おもてなし英語すら使うチャンスはありません。
英語の先生などをのぞいて、ここ5年ぐらいで外国人と英語を使ったのは、外人バーをのぞけば、
蕎麦屋で困っていたインド人を助けてあげたときにつかったことが1回あるだけです。
私が5年間でインド人のかた1回ですから、このときのために英語をやっておくんだはないだろうと思います。
こうなると、国内では、英語をもっとやろう、実用的な英語を小さいころからやるんだという、教育方針とはうらはらに、
ところで、英語をやって、それをどこで使うんだと言われると、ほとんどの人がまあ該当することのない3%程度の
職業について語るぐらいしかないのではないでしょうか。
国際人をめざすんだと言ったところで、そもそも3%の職業を相手にしてもどうなんでしょうか。
といった否定的な意見が出てきても仕方がないんですが、語学習得の困難さを考えてみれば、今の方針は
間違っていないでしょうし、そもそも言語を学習するは他国の文化を学習しているのと同じですから、
そういった意味では大きな価値があるかと私も考えています。
元東京外大学長のかたが書かれていましたが、日本人は語学学習では、
英語圏の国よりも、はるかに優秀であると。
日本語の対極のカテゴリに入る英語をここまでやるというのは、世界というレベルで考えたら
かなりのものであり、そのおかげで日本人は民族の基本であるところの言語の大切さを自然と身につけていると。
英語圏の人は英語をやらなくて済むから楽だなあとか思った人は私だけではないでしょう。
母国語だけでなく、英語までやっている日本人のほうが英語圏の連中よりも優秀なんじゃないかなと
考えたりしたことがありますが、どうやらそのようです。
よって、外国人相手に、英会話が出来ないということのコンプレックスを持つよりも、英語までやっているんだぞ我々はという優越感に
ひたったほうが自然であるようです。