やりなおしの英語125 「読書術」に外国語の本について、おもしろいことが書いてありました。

「読書術」加藤周一を読みました。
加藤周一は戦後を代表する国際人のひとりで15年前ぐらいに亡くなった方です。

読書術と書いてあるぐらいですから、本をどうやって読むかなどが書かれていますが
海外本をどうやって読むかといったことも書いています。

この方は、英語だけでなくフランス語やドイツ語なども堪能なかたですので、
書いている内容についても説得力があります。

ただ、この方は戦後を代表するとか言われているかたなので、言われているとおりに
我々がやったからといって、すぐに効果が出るとは思えませんが、大筋で
間違ってないやりかただろうなという内容であろうなとは思えます。

加藤先生が学生のときに小林秀雄が学校で講演をしてくれたそうです。
そのときに彼が学生に伝えたには、
「1日に1冊読破出来るぐらいでないと使える外国語を身に着けているとはいえない。
それを実現するには、左側に翻訳本を置いて1ページ読んだら、右の原文を1ページ読む。
わからないところがあっても、それは飛ばしてとにかく1日に1冊読む。
これを1年続けたら読めるようになっている」

それを聞いた加藤さんは小林秀雄のいうとおりに1年続けたそうです。
必要にせまられて、どうしてもそれぐらいの語学力を身につけたかったからだそうです。

日本語のライトノベルであっても、1日1冊は大変でしょうけど、
外国語の本を1日1冊とはそんなことが出来るのかと思いたくなります。

こういった経験もふくめて、加藤先生は外国語の本についてはこう言ってます。

必要に迫られなければ外国語などは簡単にマスターできるものではない。
つまり、必要であることがまずは外国語マスターの条件のひとつだと言ってます。

その次に、難しい本は読まなくてもいい。自分にとって易しい本を読めと。
それには、科学書のような、専門用語を知っていれば、難しい英語は使われていないので
そういうのを読みなさいと。

なるほどとは思いますが、とてもじゃありませんが、加藤先生の目標と
TOEICである程度の点をとりたいといった私のレベルとでは雲泥の差があります。

私は達成しやすいように、目標を下げているのではなく、現実路線から考えると
その程度の目標しかたてられないというのが本音です。

ただ、程度の差はありますが、外国語から知識を得ようとすれば、「速度」が必要である
ことは間違いないでしょう。

そして、私にとって興味深いことは、日本語と英語の文をまず比べてみると
日本語は細かいところからはじまり、最後に大きな内容が出る。
英語は逆で大きな内容が出て、それから細かい話が続く。

これについては誰もが理解していることですけど、加藤先生は
1次元として考えたら、そのどちらかに頭を変更することで、それぞれの言語に対応することになるが、
そうではなく、両方同時に出来るように「2次元」の頭にすることを目標にするべきだとのことです。

なるほどと思った次第です。

英語

Posted by yannori