道場では礼にはじまり礼に終わると言われているが、道場の外で果たして礼が出来ているか
道場では道場訓が1番にかかげているほど礼を大切にしろと言われており、どこが礼なのかわからないまま、 縦割り社会にて挨拶を常にさせられて、たぶんこれが礼かなと思ったりします。
もちろん、礼が挨拶だけということはなく、すべてにおいて礼を大切にしなさいということだろうと思います。 道場では嫌が応なしに、あれだこれだと、指摘されたりしますので、最低限の礼は確実に出来ているかと 思います。
しかし、道場が教えているのは、何も道場だけでやれればいいという話ではもちろん、ありません。 そもそも空手の稽古も、道場を離れると、自分の身を守るためのものと指導されます。
身を守るためとわざわざ言うのは、喧嘩で使うものじゃないからなという暗黙の意味もあろうかと思います。 前回、帰り際にグランドに一例する高校野球の高校生の話をしましたが、これなんかも礼が出来ているというものです。
では我々はどこに礼を尽くしているかと、なかなか難しいところですが、まずは挨拶が出来ているかだけでも 十分かななと思います。
もちろん挨拶だけでなく、お礼を言うとか、態度で示すなどもすべて礼でしょう。
非常に近い身内にも、なかなか言えていないかたも多いかと思いますが、 挨拶したほうがいいに決まっているものの実際にやりにくいのは 理由あって、お互いに近くにいるものの、よく知らない相手への挨拶です。
道場ですと、誰であろうと、それが知らない人であっても挨拶をしますので、挨拶する抵抗はあまりありませんが、 道場を離れても同じようにやれるかというと意外と難しいかもしれません。
ご近所のかたとの挨拶というのも、全員にやるかというと、なかなかそうもいかないケースもあろうかと思います。
戸建てですと、近所の方は多くありませんが、集合住宅ともなりますとかなりの人数が近くにいます。 そうなりますと、知らない人のほうが断然多いはずです。 そうであっても、必ず会釈してくれるかたがいます。
こういうかたは、常日頃からそういうのを当たり前としている方ですので、相当レベルの高い人といえます。
先日、ある分譲マンションの知り合いを訪ねたところ、すれ違うかたのかなりが挨拶をしてくれました。 これはすごいことです。 新しいマンションでしたので、住人のかたも若いかた中心ですから、余計すごく感じます。 こういう方が多いということは、礼が出来ているかたが多いと考えていいでしょうから、 住人のレベルが相当高いマンションと言えます。
武道をやってたわけでもないのに、こういったことを自然と出来る人たちが近くにいるというのは、 実にこころ強いことです。