こんな素敵な会社が昔はあったんだ。社員が不幸にして亡くなったときに奥さんに職を提供する会社
かつて、仕事の客先のかたと個人的に飲み会を何度かしたことがあります。
そのときに、その彼が私に涙ながらに語ったことがありました。
それは、昔の上司が、仕事が苦しかったのでしょうか、それ以外の理由かはさだかではありませんが
自分の命を自らターミネイトしたそうです。
それはショックを彼も受けたそうです。
しかし、その事実よりも、つらかったのは、その方の奥さんが社内食堂とかで会社に雇用され
働いていたところをいつも見なくてはならなかったことだそうです。
上司がこの世からいなくなった事実というものは、悲しいものですが、それらは時間とともに
色あせるわけではないですけど、常に気にすることはなくなるはずです。
しかし、そのかたの奥さんが、生活のために働かざるを得ないようになっているのを
見るにつけ、確かに悲しい気持ちになってきます。
この話を聞いたのは10年以上前の話ですけど、最近母より私も知っている友達の話を
聞かせてもらいました。
若いころにご主人をなくされて女手だけで、子供を育ててきたというかたたちです。
たまたまお二人のご主人は同じ会社に所属されていたわけですけど、
会社から提案があったそうです。
ひとつは、働き口を社内で作るから入社しませんかという話。
もうひとつは、高校卒業するまで学費は会社が支払いましょうというものです。
大黒柱を早くになくして、子供はまだ小学生といったときに、この提案は
それはもう有難い話と言えます。
昨今は主婦がいきなりシングルマザーになっても経済的には厳しい世界が待っています。
その厳しさをそれなりに救えるのではないかと思えます。
子供の学費を出してもらいそして仕事をもらえるならば。
その話を聞いて、客が涙した話を思い出しました。
これは彼の家族が可哀そうというよりは、よかった、そうやって仕事をもらえて、
そんないい会社にご主人は働かせてもらっていてよかったですねと
同じ涙するのでも、よかったときの涙のほうがふさわしいのではないかと思います。
かつては、このような会社があったと思うと、なりふり構わずリストラしていく
会社がいまや普通ですけど、こういう古くさいけど、いざというときに頼りになる会社というのも
ほんと悪くないなあと思います。
なんか温かい感じがしますし、そういう会社なら、一生懸命やりたいときっと思うことでしょう。
こういうことを今でも見えないところで実践している会社があれば、私もそこで働きたいと
思うに違いありません。