はじめての演劇 その25 漫才の練習をやっているとセリフをだんだんと覚えてきます
劇団公演のために漫才の練習をやっていますが、練習してわかったことは、
メインキャストと違い動きとセリフの掛け合いが大げさかつ早い必要があるため
やりきるのは結構難しいです。
メインのシナリオでは、ゆっくりと立ったり移動したりが少しあるだけでほとんどが座ったままです。
舞台は部屋での会話が中心ですので、走る回ることもなければ激しく動くことは基本ありません。
キャスト同士が早口で言い合いするという場面もそれほどありませんし、2人だけで掛け合いシーンも
それほどありません。
つまり、セリフについては、次に何を言うかを考えながら話すことがある程度可能です。
漫才のセリフについても、同じ台本に載っていますので、はじめてセリフを読んだときは
メインキャストのセリフ量よりは少ないから、楽勝かなと思ったものです。
ところが人は、2つのことをパラレルで頭脳から指令を送ったり考えたりは出来ません。
出来るように感じるときは自動車の運転のように
ほぼ無条件反射のように行えるときだけです。
漫才では、動きとセリフとを同時に意識する必要があるわけですが、このように一度に
考えることが出来ないということであれば、動きを意識するモードと
セリフを意識するモードとをいったりきたりして、あたかも同時に意識しているかの
ようにやる必要があります。
はじめて漫才の稽古をするときに、セリフをまず覚えようとします。
だいたい覚えたかなというところで稽古をはじめたわけですが、
動きを入れたとたん、セリフが頭から飛んでいくわけです。
セリフは覚えたかもしれないが、それは舞台に上がって使えるほど
覚えたというわけではないということになります。
それがですね、稽古を繰り返していると、セリフと動きが
同期しはじめてきて、まあいえば体で覚えるという感じになっていきます。
つまり、頭の中だけでなく、実際に使う場、この場合は漫才ですけど
その漫才の稽古をやりながら覚えていくことによって、はじめて
定着するという感じです。
この話はどこかで聞いたことあるような気がしないでしょうか。
そうなんです。
これは英会話で言われていることとまったく同じなんです。
参考書だけで覚えてもすぐ忘れてしまうし、使う場になったら
どうしたらいいんだとしどろもどろの英語になるはずです。
しかし相手がいて失敗しながらも声に出して会話を続けていたとしたらどうでしょう。
間違いなく覚えていくはずです。
漫才を練習するのも英会話を練習するにも同じだということは
とても興味深いと思います。