空手をずっとやられているかたにはいつも頭が下がります
私が空手道場の門をたたいた理由は喧嘩で強くなりたかったという
不純な動機です。
実際にそういう人はそこそこの割合でいるはずです。
そして入門してみたら、ボコボコにされたと感じた人も
多いのではないでしょうか。
他の道場生が新人を相手にボコボコにするといったことは
実際にはおこりません。
しかし、それに近いかもということは起こります。
例えば、下段蹴り(ローキック)を蹴る場合、経験者同士ですと
そう簡単にお互いに決まることはありません。
これは上段蹴り(ハイキック)においても当然、強くけることは
ありませんし、簡単にはいることもありません。
ところが、新人ですと、まあいやガードががら空きなので
経験者からするとサンドバックに近いわけです。
そのため、こちらは弱めに蹴られてもまともに入れば、それはもううなるぐらい痛いですし
またその痛さにも耐性ができていないため、うずくまったりします。
そうなると、師範から、オイオイ、相手をつぶすなよというゲキが飛ぶわけですけど、
まあ半年はそんな状態じゃないでしょうか。
そんな空手をやっている人たちなんですけど、それはもう素晴らしく優しい人が
多いです。
ずっと続けられている人ほど素晴らしさが体全体からにじみ出てきます。
先日も、別の武道場に集まって練習をしようとなっていたものの、
体調不良などによって参加者がいなくなり、私は参加しても最後のほうだけという
展開になったのですけど、私が少しの時間でもやりたいと言ったところ、ひとりのかたが
じゃあやりましょうといって出てきてくれました。
そんなことって普通考えられないと思うんですね。
人数があつまらないので今回はやめましょうというのが普通なのに、
私がちょっとやりたいといったら相手するために出てきてくれるとは。
これなんです。このやさしさを多くの空手家に感じます。
ただの飲み会だって、こうはならないはずです。
それなのに、参加したいという人がいるからと、近くにない武道場にわざわざやって来て、鍵あけて、
相手してくれるんです。
ほんとそんな皆さんには頭が下がります。
空手をやってよかったなあと思うことのひとつは、こういったかたがたと
知り合って、ずっとお付き合いをさせてもらっていることです。
もちろん、そんなことはすぐにはわかりません、何年もやっているうちにじわじわわかってくることです。