はじめての演劇 その32公演本番ではやはりリハまでやってるにも関わらず思わぬことが起きます。
演劇の稽古は、毎回はじめからずっと通しでやるということではありません。
演出をしている人が、ここは大切なところだから、一度やってみましょうとか
どうもしっくりこないので、ここを変えましょうなど、演出側の改善時間でもあります。
今回は脚本を書いたかたが演出も兼ねてますので、稽古をみた感じで
いいほうに変更していきます。
多くの場合は、変更したところを動画で残しておいて、あとでキャストが確認して
忘れないようにするというものです。
演出している人がほぼイメージが合いだいたいメドがついてきたなというときに、
(今回は2週間前でした)通し稽古というのをやります。
2週間前ですから、当然セリフは覚えていての練習になります。
このときに初めから終わりまで通すわけですけど、とちることもあります。
そこは本番と同じということで、とちってもそのまま何事もなかったかのように
続けます。
通しをやる前に、場面が変わるたびに、暗転、明転、または照明の種類を変える
、さらに音出しもやります。
普段会議室でやっていますので、照明はスイッチを誰かがONOFFすることで
代用します。
ここで大切なのは、舞台袖が左右にありますけど、そこから
どうやってキャストが舞台に出ていく、またははけるということも
やります。
通し稽古はキャスト全員がいないといけませんし、かつ時間がかかりますので、
今回は通しをやれたのは2日でした。
そして本番当日です。
ここではじめて、実際の舞台を見ながら、自分の役どころを
確認します。
暗転については、会議室ではスイッチONOFFでしたがOFFでも、
光がしっかり漏れているので周りが見えます。
ところが舞台では暗転するとまったく見えなくなったりします。
直前まで強いライトに照らされていますので、そこでいきなり真暗になると
明暗順応がまったくついていきません。
しかし移動はしなくてはなりません。そんな練習も本番のリハーサルのときに行います。
直前に1回だけ通し稽古を行い、それからまもなくして開演となりました。
さあ、本番はどうなるかですが、私もキーワードをひとつまったく忘れてしまい、
適当にごまかしました。
観客はそもそもどれが本当なのかわかりませんので、流れをぶったぎらない限り
ごまかしがききます。
そうこうしているうちに土日の公演がすべて終了しました。
さて、終わってみて少し自分自身を振り返ってみました。
入団してはじめのころと、今とでどう変わったか。
ひとつは、舞台度胸がつきます。これまでプレゼンなどを人前やることもありましたし、
楽器演奏を人前でしたこともありますが、劇団のほうが失敗リスクが高いです。
プレゼンも音楽もシナリオはしっかりと決まっていますが、そこから外れたとしても
想定内で処理できますし、プレゼンにいたってはシナリオどおりに進めないこともあります。
劇はちょっと困ります。
台本がありますので、自分ひとりでアドリブでは完結できません。
だからといって緊張しているとさらに状況が悪くなるやもしれないので
開き直る練習を少ししました。
次に変わったなというのは、女性がメインで感情まるだしで攻め合うシーンが
いくつもあるんですけど、日常で女性がヒートアップしている場面をみることは
まずありませんし、非常にまれに知らない人で見ると恐ろしく感じがしていましたが
何度も聞いたおかげで、恐ろしく感じることはなくなりました。
3つめとしては、何かを演じるというのも、やろうと思えばそれなりに
やれるなという自信です。もちろんプロのかたのようにはいきませんが、
素人同士なら演じられるなというものです。
まあ少しは成長したのかなという気持ちです。
皆さんも劇を是非やってみてください。はじめはかなり戸惑いますけど
ゆっくりと慣れてきて、最後はこうやって公演に出してもらえると
思います。