【NOTE】空手道場で見た、これぞ本当のしつけ

多くの空手道場は、おおまかにクラスが分かれています。
少年部、一般部はどの道場にもあり、私の所属道場もそうです。

少年部は小学生以下で一般部はそれ以上ということになっています。

さて、空手がというわけではありませんが、武道はどこも厳しい指導が行われます。
その主な理由としては、武道がそういうものであるという以外に、適切な指導がなされないと、
ケガをしてしまうからです。

罵声を浴びさせられているぐらいの勢いで指導が入るときがあります。
もちろん、罵声ではありません。
彼や彼女たちに、強くなってもらいたいという愛情がそうさせています。

よって「ここは出来たらこうしたほうがいいよ」

なんていうやさしい声かけはありません。

「そこだ」「違う、こうだ」「そうだ、行け」

これは一般部、少年部関係なくそういう指導方法です。
武道でなくても体育会系とよばれている団体はだいたい同じじゃないかと思います。
もっとも、体育会系は、パワハラ半分かなという気がしないでもないですが。

さて私の道場では少年部が終わったあと、続けて一般部がはじまります。
試合を控えている少年部の道場生は延長して組み手の練習を続けます。

そんなときですが、少年部の指導者のひとりが、これまで聞いたことのないほどの
声をあらげて明らかに怒ってます。

「空手をやるな」
「明日からここには来るな」
とまで言ってました。

ふざけている小学生にたいして、烈火のように怒っているはありますが、
明日から来るなという言葉はさすがに聞いたことがありません。

小学生が道場でどのようなことをすれば、指導者がそこまでの言葉が出るのか
気になっていました。

そこで稽古が終わったあとに、指導者にこっそり聞いてみました。
彼は稽古中に何をしたのか。

小学生の場合は組手をやるのには、サポータという防具をフルでつけてやりますが、
ボクシンググラブをつけているから、攻撃をうけても痛くないなんてことはないのと
同じで、痛みはあります。

たまたま、その彼は蹴られたかで、かなり痛みを感じたらしいです。
ここで、その小学生はあろうことか、参観している母親に向かって
「お母さんのせいだ」と言い出し、壁をけりはじめたわけです。
当然、これでも抑えに行きますが、そこまではまだ指導者も抑えていたものの、
最後に母親のところに行って、母親を蹴り始めたわけです。

ここで指導者は切れに切れて、いい加減にしろと本人を捕まえて
指導しまくったということでした。

指導すべき内容がここにはいくつか含まれています。

ひとつはもちろん
「家族をあろうことか空手をやっているからこそ出来る蹴りで親を攻撃したことです。」
道場以外で技をだすことは強く禁じられています。
見せることですらNGです。
道場生以外で技を出すこと自体ゆるされないわけですから、親に技を出すなど
論外です。

空手をやる資格がないということになります。

学習塾ではなかなかそうはいきませんが、空手の場合は、本人がやりたいからやっています。
自分が好きでやっているのに、ちょっと自分の思うとおりにならないと
人のせいにするなどこれももってのほかです。

世間の流れもあって、若い人たちは、自分が親にもそして先生にも叱られた人は少数派ですから
自分の子供とはいえ、自分で叱るということはなかなか出来ないだろうと想像します。
これがたとえ親に対して手をあげてきたとしてもです。
小学中学年あたりになると、平気で大人が負けてしまうことがありますので
家庭内暴力といったことにならないようにと考えてしまうとなおさらです。

そんな親がなかなか出来ないことを道場の指導者は真剣にしかりにいきます。
この話を聞いて、親の代わりに指導をした指導者にも敬服するとともに
子供をもつ親御さんには、こういった道場のよさを再認識してもらうと同時に
サッカーやりながらでも道場に通わしてみてはいかがでしょうと勧めたくなります。

健康,空手,格闘技

Posted by yannori