【NOTE】テント生活をしばらくやってみて今の生活のありがたさを改めて知る

登山をこよなく愛している人であればテントで寝たりすることは
特段変わったことではないかもしれません。
もっとも登山が大好きな人であっても、山荘に泊まることはあっても
テントで寝ることはない人も多いでしょうから、やはりテントで寝る人は
かなり限られているような気がします。
さて山でテントと言えば、何やらかっこいい登山家などを想像しますが、
もし場所がそのへんの公園だったらどうでしょう。
これはなんらかの事情で家がない戻れない人たちとまったく同じです。
登山家にとってはテントはベースとなる大切な場所ですが、
これが公園ですと、テントは雨風をよけるものでしかありません。
そんなテント生活をもちろん公園ではなく山で10日ほど送ってみてあらためて
思ったことなどを少し書いてみたいと思います。
そもそも登山家でもないのに10日もの間、テント生活を送ることになったのかですが、
これは山荘のバイトを兼ねていたからです。
今回お世話になった山荘は山の中腹とかによくある小さな山荘ではなく、比較的大きな山荘で100人ぐらい
泊まれます。
部屋が多くある山荘というイメージです。
高校に人気のある場所で、毎年特にお盆シーズンは次々と学校がやって来て
てんてこまいです。
そこをお手伝いしたわけです。
当然ですが山荘としても、お手伝い要員の泊まるところはせまいながらも
用意してくれていますが、そこで私はあえてテント生活を送ってみたわけです。
テント生活などしたくても登山ファンでもなければそうできるものではありません。
そこで10日限定ですから、テントを山荘から借りてテント生活をしてみたわけです。
テントをもっておられる数少ない登山ファンや山岳部のかたならわかりますが、
テントはまず設営からはじめます。
いまどきの一人用ですと、あっという間に設営できるものも登場していますが
借りたりしますと、そうもいかず、説明書を読みながら組み立てます。
一人用ではなく複数人用のを借りたため、設営になんだかんだと2時間ちかくかかりました。
それも手伝ってもらってです。
土の上に直接寝るわけではないにしても、マットレスを持っていないと
寝れたものではありません。
そこで、フィットネスなんかでも使っているような薄い折り畳みのマットレスを
敷いて、シュラフ(寝袋)で寝ます。
枕なんかあるわけないですから、自分の服とかを折りたたんで枕かわりにします。
これ聞いただけでも、テント生活なんて冗談じゃないって思うことでしょう。
さらに、電気なんかないですから、懐中電灯とかヘッドライトとかを夜は使います。
もっとも本を読むわけでもないので、用を足すときに足元を照らすといったことに使うだけです。
あとは真っ暗です。
ほんと真っ暗です。
スモールライトが欲しいところですが、ランタンというものをお持ちなら
それも可能ですが、燃料や電池の無駄になるので、さっさと消してしまうのが普通です。
私のところでは、野生の鹿がまあテントの周りをうろうろしていて、その音も聞こえますし
鳴き声もしますので、やはり神経質な人は眠れないかと思います。
幸い熊は出そうになかったので、そこは安心でしたが。
とはいえ虫がガンガンテント内に入ってきますので、なるべくテントを閉めたいところですが
昼間は暑いので開けているので虫とも友達です。
虫嫌いだとテント生活はまず無理です。
本来ですと、ここで、ご飯を作るという作業が発生しますが、賄いを勝手に食べれるので
パスできました。
テントだと大したものは作れませんが賄いならいいものがと思われるでしょうけど、
泊り客の食事はだいたいローテーションで同じものを作るため、それの残りは
一度食べたら2回目は欲しくなくなるので、最後はたまごかけごはんが一番おいしかったりします。
こんな生活を続けていてわかったことですが。
テント生活を続けるには本人にいかに環境適応能力があるかにかかっている。
まあ屋根とかがあるといってもしょせん野宿と同じですから、野宿が出来るか?という
話と同じです。
テント生活は非常に不便であり、少し慣れたといっても不便であるにはかわりません。
おうちで鹿にも邪魔されずに、安心して静かに寝れるということのありがたさを感じることができます。
今回テント生活をして一番感じたことは、テント生活はまあいや原始時代の生活に近づいていくわけですけど
これがですね、生活(食べる、寝る)をいかに快適に疲れも残さずに続けるということに
集中してしまい、それ以外のことを考えるということを頭がやめてしまうことになります。
昼間でしたら、本だって読もうと思えば読めますけど、まったくその気になりませんでした。
つまり、普通の家やアパートに住んで、ご飯を食べて、仕事や勉強をして、寝て朝起きるという
多くの人がやっている生活こそがあまりにも文明的な生活であり、この環境なくしては
人類は、いや本人は成長することはないだろうと断言できます。
健康は大切であるとは誰もがわかっていることですけど、今の、そう今の生活そのものが本当に大切である
ということを認識させてくれたテント生活でした。
健康は失ってから大切さがわかると言いますけど、テント生活で今の生活を一時的にでも
失ってみると、それは大切なことが認識できます。
そんなことを体験したいのであれば、テント生活はおすすめします。











