空手 なぜ年齢があがると空手を辞めてしまうのかを少し考えてみました
私がお世話になっているところだけではなく、フルコンタクト空手の道場は
年齢があがってくると、辞めていく傾向があるというのは間違いないかと思います。
試合に行けば、それは数として明確にわかります。
私の経験でいえば、当然体力が下降線になりますから、同じことでもどんどんきつくなるわけです。
もちろんそうでないかたもおられますが、そういうかたは少数派です。
空手は武道のひとつであって、稽古でもって強くなります。
体力的にも精神的にも。
そして継続することによって、それらは完成の方向に向かいます。
私のお世話になっている道場の道場訓のひとつに、「継続をやめると無になる」というくだりがあります。
つまり継続しているから鍛えられていくのであって、辞めたら元に戻るということです。
道場訓にもなっているぐらいですから、継続は礼儀と同じぐらい大切だと言っているのですけど、
辞めてしまうかたが結構います。
武道に限らず、稽古事はどれも同じだろうと思います。
ピアノでもプロですと3日弾かないとただの人と言われるぐらいですから。
体力がおちるから、通わなくなってくるは確かに本当でしょうけど、体力に合わせた稽古はもちろん出来ます。
それでも辞めてしまいます。
なぜでしょうか。厳しい稽古を少なくとも何年もやってきたのにです。
そこで見えてきたのが試合の存在です。
試合は、ある程度自信のある人が参加して、勝つことを目標にしている場合がほとんどでしょう。
空手の試合において勝者のガッツボーズはないというのはご存じでしょうか。
勝ち負けの前に、相手をしてくれた人に対する感謝があるためです。
とはいえ、トロフィーはほしいですから、勝にこだわるのはどうしても起こる話です。
年齢があがると、参加者が激減しますので、年齢のあがった人ほど経験値の高い人が
出てきたりしますので、体力が落ちると昔のようには勝てなくなります。
フルコンの試合では、最後のほうは疲れてしまいテクニックが使えなくなってきます。
つまり体力勝負になり、その様子で判定されることになります。
体力が残っているほうが基本勝ちですから、体力がないと負けます。
この勝てなくなるというのが、稽古を続けるモチベーションを下げているのではという推測です。
試合では勝負は二の次だと教えられていても、勝てない自分を感じると続ける気がなくなるという感じじゃないでしょうか。
継続するためにはなんらかのモチベーションがないと続けにくいものです。
体力がおちたことがそのモチベーションを下げるのではなくて、負けてしまう、勝てないという事実が
モチベーションを下げてしまっているのでばないでしょうか。
市民マラソンなどは年齢関係なしに続けられている方が多くいます。
それもモチベーション高くです。
なぜ、こちらは年齢が高くなるとどんどん辞めるということがないのでしょうか。
これはプロでない限りは、その順位に勝ち負けをそれほど感じる必要がないからではないでしょうか。
マラソンなども、誰かと勝負をするというかたちであれば、勝ち負けがはっきりしますので、
空手と同じように多くの人がやめてしまうのではと思います。