シニアに近づいているからって卑屈と思えるような態度にならなくてもいい

私の関わっている日本のIT業界というものは、Sierと呼ばれているシステムを構築する
技術と資金力を持っているところを頂点として、足りないエンジニアを協力会社に依頼して
集められない場合は、そのまた協力会社に頼むというピラミッド型の構成で全体を動かしている
のが典型的な形態です。

Sierの人は集めるだけですけど、協力会社は他社から人を集められる側でありかつ他社にたいしては人を集める側でもあります。

もちろん、頭数だけそろえばいいというものではなく、その仕事に適応できる人を集めることになります。
その仕事の頼み方ですが請負契約だったり派遣契約だったりします。
派遣される人の所属会社は依頼された会社に対して、誰がいいとか自社の人から選ぶことはできますが、依頼している会社が
人を直接選ぶということは法律で禁止されています。

しかし実際問題、よっぽどの長い付き合いが両社間にない限り、依頼者の求めているエンジニア像を的確につかむことは
困難です。さらにいえば、的確につかめたとしても、それに完全に合致する人はまずいません。

そこでよく行われるのが、依頼会社と派遣してもらうのであれば、所属派遣会社と候補のエンジニアを一同に介して話し合いをすることです。
この人ならやってくれそうとかこの人だと少し厳しいのではとかは依頼会社側がおこない、エンジニア本人はそういうのだったら
出来そうだし無理のない仕事が出来そうだとかお互いに不幸にならないように前もって行うことです。

私もこういう場をかなり経験しているわけですが、エンジニアの傾向としては年齢が上がってくると
謙虚というよりはどちらかと言えば卑屈な印象を受けてしまうような人と多く出会います。

ソフトウエアエンジニア35歳定年説というのはいまだに根強く残っているぐらい、年配になると開発作業が若い人よりも
厳しくなると一般的に思われています。

35歳が正しいかどうかは別にしまして、こういった世界ではマネージャになっていない場合は年配になればなるほど健康面含め
開発が厳しくなってくるのは間違いないところです。

そのため、開発作業から段々とはずされていくような傾向にあります。
実際は外されるではなくて、声がかからないといったほうがいいでしょう。

ご本人がそう思ってしまった場合、自己紹介あたりからかなり卑屈な態度とまわりから見えたりします。
まわりがそうさせてしまったわけですけど、経験という意味では抜群の経験値があるはずですのに、
おもいっきりそれをアピールしたほうがいいと思うのですけど、なかなかそうはなりません。
若いころにもっていた有り余る自信が段々と消失していき、今ではあまり残っていないといった印象です。

企業では役職定年というのがありますけど、それと同じで、50もいい加減すぎたら、無理しなくていいから、
と言われているような気がします。

たまたまITエンジニアの話ですけど、業界に限らず同じようなことが起こっているのではと思います。
ビジネス雑誌あたりでも、このあたり対象ですとリストラだリスキルだ早期退職だとか読者をおびえさせる
記事一色です。
第二の人生で悠々自適なんかあり得ないなど元気の出ない話ばかりです。

そんなことはないです。
まさにここは気持ちの持ちようだと考えられます。
卑屈にさえ見えるかたは、こぼれてきそうなほどの経験をお持ちですので、
それを糧に有り余るほどの自信をまた取り戻してほしいと思います。

シニア

Posted by yannori