横の動き 空手の場合
回し蹴りがその典型
空手の基本中の基本は回し蹴りです。と私は今も思ってます。
この回し蹴りを典型として、空手や同じ格闘技に共通して言えるのは、これらは横の動きが多いということです。
人気のあるスポーツ、野球、サッカーなどを頂点として数多くのスポーツが存在しますが、よくよく考えてみるとおもしろいことに気が付きます。
陸上などがその中でもわかりやすいのですが、多くのフィールドスポーツはすべて前に動くことを基本としています。
陸上は当たり前ですが、いかに先に前にいけるかが勝負となります。
ラグビーは横を使いながら前に進む必要があるものの、やはり前に進むが基本です。
サッカーも横の動きはもちろん多少ありますが、前に進むことが勝利の基本になります。
野球もバットで前打つ、守備であれば、前からくる打球をとる、そしてピッチャーならば相手に向かって前に投げる。
こうやってスポーツの動きを分析すろと、フィールドスポーツなど、かなりのものが自分が向いた方向の動き、つまり縦の動きが基本になっています。
さて、ここで空手を含む、格闘技に焦点をあててみますと、前にやたら動くはないことがわかります。
必要以上に前に行く必要はなくて、相手の間合いだけで物事が進んでいくため、前の動きが重要というわけではなく、横からの動きがかなり重要となってくるわけです。
言い方を変えれば、前の動きはだいたい察しがつくため、まあいやガードがなされているためダメージを与えにくいので、違う方向の攻撃の方が大切になってきます。
さてこのようにくどくど話したには理由があります。
つまり、若いころに格闘技に接していない人は、縦の動きこそが基本となっているため、横の動きにはすぐに順応できないということになります。
運動はきっちりとやっていたはずなのに、空手の稽古が終わると、体中が筋肉痛のような感じの違和感を感じていて、これで続けていけるのだろうかと考えた時期があったのですが、今こうやってそれなりに分析してみると、当然の結果だったことが理解できます。
このようにあとから空手をやった人は、はじめのうちはかなり辛いことになるのですが、これは過去の経歴などが影響しているからであって、決してそういうものに向いてないということではないといえそうです。
稽古をすれば、上達していくであろうことは、やはりまぎれもない事実でしょう。