はじめての資格取得 第三種電気主任技術者 その2
電気主任技師は電気を扱うときに、もっとも権威ある資格であることは間違いありません。
扱える最高電圧によって第1種、第2種、第3種とありますが、難易度はその電圧に比例して
難しくなっていきます。
もっとも難易度が低いのが第3種です。
しかし国内で扱っている高圧設備の80%が第3種でカバーできますので、電力会社の社員でもなければ
第3種を取得しておけば必要にして十分となります。
さて、ここでお話しするのは試験の難易度の話です。
第3種に限ります。
理系の試験では、難易度を大きく左右することとして、理系大学生が勉強している数学の知識を
必要とするかどうかです。
もし必要とするのであれば、理系大学出身でないと圧倒的に不利で合格への道は厳しくなります。
しかしこの第3種につきましては、高校までの数学で解ける問題しか出ません。
そのため、高校を卒業していれば、数学が得手不得手は別として少なくとも一度は学校でやった
知識で解けることになります。
つまり高校生が受験できる試験という位置づけです。
工業高校生で優秀な学生は受けさせられると聞いたことがあります。
残念なことに数学の知識はなんとかなったとしても、合格に必要とされる知識は高校の物理で習った
程度ではほとんど解けません。
大学で電気を勉強されたかたは、当然にして大学の数学の知識を使っての勉強をしています。
しかし、そんな解析学とか幾何学とかのベクトル計算や微積分は使わないわけですから、
感覚的には大学の教科書を高校生用に作り替えた問題が出るというイメージです。
よって、数学こそ難しいのは出ないけど、その考え方や知識は理系大学の内容になります。
ここまでの話でなんとなくおわかりいただけたかもしれませんが、簡単そうに見えて
結構難しいというのがこの試験となります。
合格率10%を切るというのはやはり難しいと考えたほうがいいでしょう。
将来、この世界でやってみたいという人以外は勉強量が多いので、おすすめできません。
ただ、本気でやるぞという人のために言えば、前出した、人気のあるシリーズの4冊(4科目)と
過去問集を確実にやれば合格できると思います。
ただし、4科目一気にやるというのはかなり負荷が高いので、1年目2科目、2年目2科目をねらいながら
1科目落としても3年目に全科目合格というのがいい線かなと思います。
実際に試験場に行くとわかりますが、いきなり全科目受けている人はあまりいません。
私の受けたときは科目合格者と全科目受験者と部屋が違っていました。
それでわかったわけです。
私は4科目を一気に受けましたが、もっとも簡単だと言われている科目 法規 を落としました。
この科目は大丈夫だろうとなめていたところ、覚えなければいけない数字を覚えてなくて、計算問題が解けませんでした。
次の年に合格しましたが、1年目で落とした科目がこれだけだったというのは実に運がよかったと思います。